微分

次数下げによる極値計算

※スマホの場合、横向きを推奨

次の問題を解いてみてください。

ちょっとした罠が仕掛けてあります。

問題

問題

f(x)=2x3+9x26x の極小値を求めよ。

こんなのは余裕ですよ。増減表を書いたらいいんですよね!

極値をとる x の値を求める

まずは微分して…

f(x)=6x2+18x6

だから、f(x)=0となるのは…

x=3±132

極小値をとるのは、x=3+132のとき…

だから極小値は…

f(3+132)=2(3+132)3+9(3+132)26(3+132)

えっと、これは…

代入計算の工夫

…これを計算するんですか…!?
ちょっと面倒ですね。
かなり面倒です!
まあこの程度なら力技で計算してしまう生徒も多いのですが…

計算ミスを防ぐために、ここでは次数下げの方法を利用しましょう。

次数下げ…
まず、何が面倒かというと、

f(x)=2x3+9x26x

f(x)↑に代入しないといけないことです。

代わりに、f(x)↓に代入ならどうですか?

f(x)=6x2+18x6

f(x) に代入ですか?

2次式なので、ちょっと楽ではありますけど…

いやいや、そういう話ではありません。

x=3+132 は、極値をとる x ですよ。導関数の値はどうなりますか?

極値をとるから…
…あっ、極値をとる x を代入したら、導関数の値は 0 です!

f(3+132)

=6(3+132)2+18(3+132)6

=0

こういうことですね。
確かに、f(x) に代入するのは簡単です。

結果は0と分かっているんですね!

2x3+9x26x に代入するのは面倒ですが、6x2+18x6 に代入すれば 0 になるのは当たり前のことです。

さらに、f(x)6 で割った x2+3x1 に入れても 0 であることも分かりますね。

割り算による変形

でも実際に代入するのは f(x) にですよね…
そこで、割り算による式変形をするのです。

x2+3x1 が式の中にでてきて欲しいわけですから、

2x3+9x26xx2+3x1 で割って…

筆算します!(カキカキ…)
(カキカキ…)

2x3+9x26xx2+3x1 で割ると、

商が 2x+3 、余りが 13x+3 です!

OKです。こういうことですね。

f(x)=(x2+3x1)(2x+3)13x+3

余りへの代入

x2+3x13+132 を代入しても0だから…余りだけに代入すればいいんですね!

f(3+132)

=13(3+132)+3
=45213132

これが極小値です!
ABOUT ME
e-yobi
北海道大学工学研究科 修士課程修了。 専門は複雑系における物理現象。 大学卒業後は商社でネットワークエンジニアとして働いていました。 4年で退職し、教員免許を取得。 公立高校・私立高校の教員を経て、現在は関西で予備校講師をしています。