数学2

対数関数の置換えによる最大値問題

文字の置き換えによる基本的な解法を学びましょう。

問題

問題

x>1,y>1,xy2=16x>1,y>1,xy2=16 のとき、(log2x2)(log2y)(log2x2)(log2y) の最大値を求めよ。

指数関数や対数関数を一つの文字と置くのはよくある解法のパターンです。

解法1 まず置換え

(log2x2)(log2y)(log2x2)(log2y) の最大値を求めるわでですが、まず始めに置換えをしてみましょう。

x>1,y>1x>1,y>1 において、

(log2x2)(log2y)=(2log2x)(log2y)(log2x2)(log2y)=(2log2x)(log2y)

と書き換えられるので、

log2x=Xlog2x=X

log2y=Ylog2y=Y と置くことで

(log2x2)(log2y)=2XY(log2x2)(log2y)=2XY

となる。

置換えはできましたが、前半の条件 x>1,y>1,xy2=16x>1,y>1,xy2=16 はどうしましょう。
log2x=Xlog2x=Xlog2y=Ylog2y=Y

と置いたわけですから、やるべき操作は決まってきます。

…両辺の対数をとる…!

xy2=16xy2=16 の両辺を底を 22 とする対数をとって、

log2xy2=log216log2xy2=log216

log2x+2log2y=4log2x+2log2y=4

よって

X+2Y=4X+2Y=4

と書き換えられる。

結局

X+2Y=4X+2Y=4 のとき、2XY2XY の最大値を求めよ。」

と書き換えられました。

ただし、よく言われるように「置換えたら範囲を考える」ことを忘れないでください。

置き換えたら範囲」、よく言われます!
x>1,y>1x>1,y>1 という条件をまだ使っていないですね。

x>1x>1 より

X=log2x>log21=0X=log2x>log21=0

よって X>0X>0

y>1y>1 より

Y=log2y>log21=0Y=log2y>log21=0

よって Y>0Y>0

置換えによって、

X>0,Y>0,X+2Y=4X>0,Y>0,X+2Y=4 のとき、

2XY2XY の最大値を求めよ。」

という問題に差し変わったことになります。

もう対数の問題ではなくなりましたね。

あとは…

2変数なので、1文字消去すればいいですね!

X+2Y=4X+2Y=4 より

X=42YX=42Y

よって

2XY=2(42Y)Y2XY=2(42Y)Y

=4(2Y)Y=4(2Y)Y

これで XX は消去できましたが、YY には範囲がありましたね。
Y>0Y>0 でしたね。
さらに YY の条件だけでなく、X>0X>0 という条件もありましたね。

XX の条件も考えないといけないわけですが、XX は消去してしまいました

あっ…
「置換をしたら範囲を考える」と同様に、「文字を消去するときは範囲を引き継ぐ」を意識してください。

XX の範囲を YY の範囲にしっかりと引き継ぐのです。

X=42YX=42Y なので、

X>0X>0 より

42Y>042Y>0

つまり、

Y<2Y<2 となる。

Y>0Y>0 と合わせて

0<Y<20<Y<2

0<Y<20<Y<2 のとき、4(2Y)Y4(2Y)Y の最大値を求めよ」となりました。
あとは平方完成…

4(2Y)Y=4(Y1)2+44(2Y)Y=4(Y1)2+4

こんなグラフ…

よって

Y=1Y=1

つまり log2y=1log2y=1

y=2y=2 で最大値 44 をとる。

このときの xx の値は何ですか?
X=42YX=42Y なので、

X=421=2X=421=2

log2x=2log2x=2

つまり x=1x=1 です!

解法2 まず1文字消去

xy2=16xy2=16 より、

x=16y2x=16y2

として、xx を消去してしまってもいいでしょう。

log2y=Ylog2y=Y とおいて、

(log2x2)(log2y)=(2log2x)(log2y)=2(log216y2)(log2y)=2(log2162log2y)(log2y)=2(42Y)Y(log2x2)(log2y)=(2log2x)(log2y)=2(log216y2)(log2y)=2(log2162log2y)(log2y)=2(42Y)Y

と変形できます。

ただし、文字を消去するときには範囲を引き継ぐので、

x=16y2>1x=16y2>1

16>y216>y2

これを解いて

4<y<44<y<4

これと y>1y>1 より

1<y<41<y<4

よって

0<log2y<20<log2y<2

つまり

0<Y<20<Y<2

あとは解法1と同じですね!

答案

解法1での答案を書いておきます。

x>1,y>1x>1,y>1 において、

log2x=X,log2y=Ylog2x=X,log2y=Y と置くと

(log2x2)(log2y)=(2log2x)(log2y)=2XY(log2x2)(log2y)=(2log2x)(log2y)=2XY

となる。ここで

xy2=16xy2=16 の両辺を底を 22 とする対数をとると、

log2xy2=log216log2xy2=log216

log2x+2log2y=4log2x+2log2y=4

よって

X+2Y=4X+2Y=4

と書き換えられる。

また x>1x>1 より

X=log2x>log21=0X=log2x>log21=0 から X>0X>0

y>1y>1 より

Y=log2y>log21=0Y=log2y>log21=0 から Y>0Y>0

ここで

X+2Y=4X+2Y=4 より X=42YX=42Y

X>0X>0 より 42Y>042Y>0

つまり、Y<2Y<2 となる。

Y>0Y>0 と合わせて 0<Y<20<Y<2

よって

2XY=2(42Y)Y2XY=2(42Y)Y

=4(2Y)Y=4(2Y)Y

=4(Y1)2+4 (0<Y<2)=4(Y1)2+4 (0<Y<2)

より

Y=1Y=1,つまり log2y=1log2y=1

y=2y=2 で最大値をとる。

このとき、

X=421=2X=421=2

log2x=2log2x=2 つまり x=1x=1

以上より、

x=1,y=2x=1,y=2 で最大値 44 をとる。

ABOUT ME
e-yobi
北海道大学工学研究科 修士課程修了。 専門は複雑系における物理現象。 大学卒業後は商社でネットワークエンジニアとして働いていました。 4年で退職し、教員免許を取得。 公立高校・私立高校の教員を経て、現在は関西で予備校講師をしています。