数学A

同じものを含むじゅず順列

問題

問題

白玉1個、赤玉2個、青玉4個、黄玉6個をすべて糸でつないでネックレスを作る。

何種類のネックレスができるか。

これは見た目よりもはるかに難しい問題です。

まずは順を追って、例題を何題か解くところから始めましょう。

例題1

問題

(図1)の3つのブロックをつなげて1本の棒をつくる。

何種類の棒できるか。

(図1)

これは簡単です!3通りです!
↑こんな感じで3!=6通りの並べ方がありますが、左右対称の棒は同じものなので、2で割って3通りです。
その通り。次の問題に行きましょう。

例題2

問題

図2の4つのブロックをつなげて1本の棒をつくる。

何種類の棒できるか。

(図2)

さっきと同じで、左右対称のものを気にせずに一列に並べると $\dfrac{4!}{2!2!}$ 通りですが、それを2で割ったらいいんじゃないですか?
いや、2で割るのはやりすぎなんです。
えっ?やりすぎ…?
まずは書き上げてみましょう。
この6種類ですね。
この中で、回転させれば同じになるものが混ざっていますね。何番と何番ですか?
①と⑥は同じですね。あと②と⑤も!
もうないですか?
もうないですね…
ですね。③や④は、回転して同じになる組はありません。

というわけで、棒の作り方は何通りありますか?

①⑥」と、「②⑤」、で、4通りですね。

式にすると、$\left(\dfrac{4!}{2!2!}-2\right)\div2+2=4$

で4通りです。

えっ、この式は…!?
回転させて同じものがあるので、基本的には2で割りたいのです。しかし、左右対称である③と④の2つは2で割ることができません。

だから一旦その2つを避けて割って、後からその2つを足したのです。

$$\left(\dfrac{4!}{2!2!}-2\right)\div2$$

これが③と④を避けて割った…

それに後から③と④を足して…

$$\left(\dfrac{4!}{2!2!}-2\right)\div2+2$$

なるほど確かに…!

求める場合の数は、

$\left(\dfrac{4!}{2!2!}-2\right)\div2+2=4$(通り)

例題3

問題

異なる5つの玉をつないでネックレスを作る。何種類のネックレスができるか。

これは普通の「じゅず順列」ですね!

裏返して同じものができるから、

$4!÷2=12$(通り)

です!これは簡単!
OKです。

問題 再び

ようやく本題です。改めてこの問題を考えてください。
問題

白玉1個、赤玉2個、青玉4個、黄玉6個をすべて糸でつないでネックレスを作る。何種類のネックレスができるか。

白玉が1個だけなので白玉を固定して…

のこりの並べ方は $\dfrac{12!}{2!4!6!}=13860$(通り)で…

これを2で割る…ではダメなんですね?
基本は2で割りたいのです。たとえばこんなもの↓が2つセットになるので、基本的には2で割りたいのです。
裏返して同じものだから2で割るんですね!
しかし、割ってはいけないものもあります。

先ほどの例を思い出してください。

…左右対称だと割れない…
そうです。↑こんなやつです。

左右対称であるのは何通りありますか?

右側に赤玉1個、青玉2個、黄玉3個を並べたら、左側は決まるから…

$\dfrac{6!}{2!3!}=60$ (通り)

では、最終的な答えを求めてください。
避けて、割って、足す…

$\left(13860-60\right)\div2+60=6960$

6960通りです!
ABOUT ME
e-yobi
北海道大学工学研究科 修士課程修了。 専門は複雑系における物理現象。 大学卒業後は商社でネットワークエンジニアとして働いていました。 4年で退職し、教員免許を取得。 公立高校・私立高校の教員を経て、現在は関西で予備校講師をしています。