共通テスト終了後は、国公立2次試験に向けての勉強に切り替えることになります。
やるべきことは、とにかく過去問を解きまくること。
「今ようやく過去問を解き始めているなんて…」と不安になる人もいるかもしれませんが、早い段階で過去問に手が出るくらいであれば、もっと上位の大学を目指せます。現役生であれば、本格的な過去問演習は直前にやり始めるのでちょうどいいです。
ここでは、直前期に過去問を解くにあたって、注意すべき点を一問一答で示しておきます。
質問1
「解けなかった」の質によりますが、解答を読んでも理解できないほどの問題に時間を割いても点数アップは望めません。
直前期にやるべきことは、「あと少しで解ける問題をきちんと解けるようにする」ことです。
例えば、模試でできなかった問題を家に帰ってからやってみたらあっさり解けてしまった…という経験はあると思います。(今までの模試に真面目に取り込んでいたなら。)
そういう問題を解ききれるように、問題を解く作業になれること。
また、解答を読んでみたら「あっ、それか!」と悔しい気持ちになるような問題もあると思います。そういう問題を本番では解けるように、解法についての知識を頭の中で整理すること。
こういった作業が直前期にやるべきことです。
過去問を解いて答え合わせをしたら、わからない問題をすべて完璧に解けるようにすることは考えずに、「あと10点、20点でも得点をアップさせるためにはどの問題を拾えばよかったか」を考えてみてください。
質問2
ある意味正しいですが、ある意味間違っています。部分点は重要です。しかし部分点だけでは合格点に達しません。
部分点は補助的役割であると考えてください。
例えば大問の中に問が(1)~(4)まであったとして、「(2)までは解けたから半分くらいは点数もらえたかな」は、大体の場合は間違いです。
配点の比率として
(1)10%,(2)20%,(3)30%,(4)40%
くらいの配分であることはザラです。しっかり得点するためには最後まで解ききることが必要です。
大問が4つあるうち、例えば
1問は完答
もう1問はほぼ完答
残り2問はどうにか部分点をかき集める
こんな感じで合格点をもぎ取るのが基本的な戦略です。答え合わせをした後は、「どの問題を解ききれば合格点になりそうか」を考えて見直ししてみてください。
質問3
大学入試はとにかく分量が多いです。中には、最後まで解ききることを想定していないような問題を混ぜてくる大学もあります。大学の先生が解いたとしても制限時間内に終わらせるのが難しいのが大学入試問題です。
そこで結論は「制限時間内に終わる必要はない」です。
目的は合格点をとることであって、その問題を解くことではありません。全体の問題セットの中から、解ききれる問題を探し出して完答すればいいだけです。
煩雑な計算などで時間がかかり、時間が全然足りない問題も入試問題の中には混ざっています。時間がかかる問題につかまって試験時間を浪費すると、全体の得点に影響します。
2次対策授業で生徒に演習させると、一つの問題にこだわって必要以上に時間を使っている場面をよく見かけます。「この問題は時間がかかりそうだ」と感じたら、ある程度で見切りをつけて次に行く勇気も必要です。(計算ミスした結果、煩雑な計算が必要な式の形になってしまうこともありますが、それも同じことです。いったん次に行きましょう。)
では、「時間がかかりそう」とはどうやって判断するのでしょうか?
それは、質問者がやったように、いったん時間をかけて解いてみるという経験を積むことです。もちろん、入試までの期間は短いのでやりすぎて時間を浪費することは禁物ですが、「この問題はこんなに時間がかかるのか」という肌感覚を養う上で役に立ちます。
時間がかかりそうな問題に対する危険信号が正しくはたらくようにしておくという意味で、時々は問題に時間をかけることがあってもいいでしょう。
質問4
解けない、わからないとメンタルがやられてしまう生徒くんが毎年多くいます。直前期になると「あいつ最近みないな」となる生徒が必ずといっていいほどいます(泣)
しかし、冷静に考えてください。
周りは同じような実力の受験生ばかりです。共通テストで同じような点数を取った受験生が集まっているのですから。あなたがやすやすと解けるくらいなら、みんなも解けます。それでは全員合格してしまいます。解けない問題だからこそ試験として成立するのです。
過去問は解けなくて当たり前。解けない問題に少しでも食らいつくことで、ギリギリの合格ラインに到達するのです。一部の上位合格者を除いて、みんなそうしています。決して自分だけではないことを思い出しましょう。