数学Ⅱの冒頭の計算問題で必要最低限の練習問題を集めました。
簡単な解説だけを書いておきますが、大丈夫そうですか?
二項定理
$\left(2x^{2}-\dfrac{1}{x^{3}}\right)^{5}$ を展開したときの定数項を求めよ。
定数項は$ _{5}{\rm C}_{2}\left(2x\right)^{3}\left(-\dfrac{1}{x^{3}}\right)^{2}$ であるから、
$_{5}{\rm C}_{2}2^{3}\left(-1\right)^{2}=10・8・1=80$
教科書や参考書には $2(5-r)-3r=0$ を解いて…などと書いてあることが多いです。
しかし方程式を使うまでもなく、定数項になるのは第1項の3乗と第2項の2乗で約分できるときだとすぐに分かります。(定期テストでは方程式を立てろと言われるかもしれませんが。)
もっと難しい場合には一般項を書いて考えることが有用になってきます。これは別の機会に演習しましょう。
多項定理
$(x^{2}+2x+3)^{5}$ における $x^{7}$ の項の係数を求めよ。
$(x^{2})^{p}・2^{q}・3^{r}$ $(p+q+r=5)$
の次数が7となるのは
$p=3,q=1,r=1$
$p=2,q=3,r=0$
のときである。
よって $x^{7}$ の項は
$\dfrac{5!}{3!}(x^{2})^{3}・2^{1}・3^{1}+\dfrac{5!}{2!3!}(x^{2})^{2}・2^{3}・3^{0}=(20・2・3+10・8)x^{7}=200x^{7}$
より、係数は200
$p=2,q=3,r=0,p=2,q=3,r=0$ と求めたのも上と同様です。
$p$ の値で順に場合分けしていけばすぐ分かることなので、いちいち方程式を立てた様子を答案化する必要はありません。
部分分数分解の利用
$\dfrac{1}{(x-1)(x-2)}+\dfrac{1}{(x-2)(x-3)}+\dfrac{1}{(x-3)(x-4)}$ を計算せよ。
(与式)$=\dfrac{1}{x-2}-\dfrac{1}{x-1}+\dfrac{1}{x-3}-\dfrac{1}{x-2}+\dfrac{1}{x-4}-\dfrac{1}{x-3}$
$=-\dfrac{1}{x-1}+\dfrac{1}{x-4}$
$=\dfrac{-(x-4)+(x-1)}{(x-1)(x-4)}$
$=\dfrac{3}{(x-1)(x-4)}$
繁分数式
(1) $\dfrac{x+2+\dfrac{3}{x-2}}{x-2-\dfrac{9}{x-2}}$
(2) $\dfrac{1}{1-\dfrac{1}{1+\dfrac{1}{x-1}}}$
(1) $\dfrac{(x-2)(x+2)+3}{(x+2)^{2}-9}$
$=\dfrac{x^{2}-4+3}{x^{2}+4x+4-9}$
$=\dfrac{x^{2}-1}{x^{2}+4x-5}$
$=\dfrac{(x+1)(x-1)}{(x+1)(x-5)}$
$=\dfrac{x-1}{x-5}$
(2)
$\dfrac{1}{1-\dfrac{1}{1+\dfrac{1}{x-1}}}$
$=\dfrac{1}{1-\dfrac{1}{\dfrac{x-1+1}{x-1}}}$
$=\dfrac{1}{1-\dfrac{x-1}{x}}$
$=\dfrac{1}{\dfrac{x-(x-1)}{x}}$
$=\dfrac{1}{\dfrac{1}{x}}=x$